★セリュー日記 ’02 7月★

 


●2002年7月

・「おみやげは?」

私が外に出て戻ってくると、セリューはどこからかすっ飛んでくる。
玄関でゴソゴソしていると、扉前までやってきていて
開けるとギリギリの所にいるので、外にでてしまわないかと、ちょっとドキドキしてしまう。

前に一度だけ、するりと出そうになったことはあるが
足でがしっと押さえたら、それ以降はやらなくなった。
でも、絶対に出ないとは限らない。

荷物でセリューを出ないように押し込め、
「ただいまだよーん」
後ろ手で、扉を閉める。

セリューはというと、
「うるる?」「うにゃ?」
と、ノドの奥で鳴いてキラキラの目を向ける。

おかえりの挨拶&おみやげの催促だ。

猫好きの方なら皆様ご経験かと思うが
ちょろっとペットショップを見ても、猫のおもちゃに目が向く。
必ず必要とは限らなくても、つい、手が出てしまったりする(笑)

買ってきたおみやげはもちろん、欲しがる。
袋を開けるのが待ちきれないといったように、匂いを嗅ぎに来る。
普段鳴かないのに、声を出して欲しがる(笑)

また、夏のこの時期になると、虫が多くなる。
ショウリョウバッタやチョウチョなども、捕まえられたときは
手に握ったまま、セリューに差し出す。

セリューは心得たもので、握られた手を
早く早くといわんばかりに匂いを嗅いで手を出す。
でも、手を開くとエモノを見失ってしまったりするのだが(笑)

何も捕まえられなかったときも、そこら中にはえた
稲科の草(いわゆる猫草ですね)の、さきっぽの一番柔らかい部分を積んで
4・5本、束にして持ち帰る。
これも、セリューは大好きだ。
匂いを嗅ぎ、ハクハクショリショリと食べる。

セリューは草よりも虫の方が好きそうだが
毎回、虫を捕まえられるわけじゃないし
虫にもかわいそうだし(笑)
そこは我慢してもらわなければ(笑)

たまにとってくるチョウチョは大好きで、
私もシジミチョウぐらいなら素手で簡単に捕まえられる。

部屋の中に放つときは、電気を消さなければいけない。
天井にあがってしまうのだ。
そうすると、セリューの手が届かない。
窓側のカーテンの片方を開けて、これなら猫タワーがあるから
セリューがじゃれついて遊ぶことができる。

ただ、セリューはチョウチョに夢中になると、
下にある水やご飯まで気が回らなくなり、
水に足つっこんでこぼすわ、ご飯はひっくり返すわと
とんでもないことをしてくれるので、そのあたりはささっと片づける。

ひとしきりあそんでいるなぁなんて、私がお茶していると
私の側にきて、「うるる?」と鳴く。

…? なんだ? チョウチョと遊んでいたのではなかったのか?
チョウチョを探すと、天井に張り付いていたり、
セリューの手の届かない所にいってしまっている。

それをとってくれとのお願いなのだ。

「チョウチョがいなく(とれなく)なっちゃったよー。
一緒にさがしてー、とってとってー」

子供のセリフのようだ。

仕方なしに一緒に探したり、とってあげたりすると
また夢中になってあそぶ。

何度か虫で遊んでいるので、ぱしっと手でたたくと死んでしまう加減も
わかったらしく、じゃれついてぱしっとしてしまっても、あわてて手を離し、
生きているのを確認してから、また遊ぶ。

そのうち、本棚の陰やどこかにいってしまって、わからなくなってしまうのだけれど。

お外にでれない、狩猟性の高い猫には、このぐらいのおみやげは、いいよね(笑)




・「ゴキ!」

夏になると出てくるイヤな虫と言えば、ゴキだ。
セリューが見つける前に、私が見つけたら速攻で退治してしまうが、
私が寝ている間のことはわからない。

ある朝、床に茶色いものが落ちていた。
何かの糸の切れ端かと思ってよく見ると、
関節があり、トゲトゲしている。

げ。ゴキの足だ(汗)

そこいらに、転々としている。

ひー。片づけなくてはー(泣)

私が寝ている間に、ゴキが出てきてセリューの遊び相手になったんだわ。

…それにしても、本体はどこだろう?
ささっと見渡すが、ない。

まさか、食べちゃったとか…?
ひー(泣)

でも、マジで無かったので、ま、そのうち見つかるかもと考え、
座椅子に座ったらかすかに”ショリ…”の音。

むむ?

座椅子をひっくり返すと、そこには…
平たいゴキがさらにぺったんこになって、座椅子の下に押し込まれていたのだ。

セリューは、よく、遊び道具を棚の下や何かの下に隠す。
ゴキも、そうやって隠したのだ(泣)

食べていなくて良かったけれど、ぺったんこになって
普通サイズよりさらに大きくなったゴキを「ひー(泣)」と言いながら始末した。

あうう。この季節だから、ゴキに関してはしょうがないけれども
やっぱ、イヤだよー(泣)





・「毛刈りの日」

ついにというか、やっとというか、私の仕事が一段落したので
毛刈りを行うことになった。

毛刈りは、私は初めてである。
トリミングしに、ショップへ連れて行ってもよかったが
どうせ毎年やることになるだろうから、
自分でやっちゃえと思ったのだ。

部屋には一日中エアコンをかけているが、
セリューはその部屋だけにいるわけではない。
わざわざ他の部屋に出てきて、暑そうにハヒハヒと舌を出す。

このハヒハヒは、暑そうでかわいそうだが、笑っているような顔になるので
なんともかわいい(爆)
でもやっぱ、本猫は暑いんだから、なんとかしなくちゃね。

今年は特に暑い。
エアコンをかけているとはいっても、設定温度は27〜8度だ。
セリューの毛皮では、絶対暑いに違いない。

少し前、近所の電気店で、人間用のバリカンが、特価500円で売っていた。
乾電池2本で動くタイプのもの。すごく安い値段だけれど、元々はちゃんとした
値段のものなのよー(爆) たまたま、それだけ残っていて、この値段だったのだ。
私の頭はバリカンを必要としないので、セリュー用。

まあ、もし、できなかったとしても500円だからま、いっか。
なんて思っていた。

セリューを風呂場へ連れて行き、くびねっこおさえて背中にバリカンをあてる。

ガシガシガシ。ウィンウィン。
うを。空回りしている。羊状になっている毛が、間に挟まらないのだ。
これでは、刈れない。
(もしかしたら、直毛だけなら刈れるかもしれないけれど)

その日はセリューを毛刈りすると決めた日だ。
あわてて近所のホームセンターへ走り、ペットグッズ売り場で
犬猫用バリカンを購入してくる。

戻ってきて気がついた。これは、充電タイプだ。
もちろん、コードがついていない方が使いやすいと思って買ったのだが
充電タイプは、購入してすぐ使える訳ではない。

充電に、時間がかかる。

その間、説明書を見ていた。
おわ。逆毛に刈っちゃいけないの?
毛の流れにそって刈っていくと書かれていた。
毛を起こしながら刈っていくのか。ちょっと大変そうだな。

バリカンに、アタッチメントがついている。
長さを調節できるものだ。
アタッチメントなしでは、私が怖い。
バリカンなんぞ持ったことのない私なので
絶対に傷つけてしまうと思ったからだ。

今年は初めてなので、1cmぐらいの長さにしようかなーなんて思った。
その長さのアタッチメントを用意する。

そうこうしているうちに、充電が終わった。

再び、セリューを風呂場へ連れて行き、
扉を閉めて、逃げられないようにする。

セリューは風呂場は好きだが、不穏な空気を感じて、なんとなく、イヤそうだ。
動くと怖いので、首元を押さえて、まずは背中から。

ウィンウィンウィン。
おお、刈れる刈れる。
しかし、逆毛に刈っているわけではないし、アタッチメントがついているのもあって
1cm用の物で、2.3cmの長さに刈られている。
もちろん、私の腕もあるのだろうけれども、
これは、今回初めてなので仕方がない。
アタッチメントをとろうかとも思ったが、やはり、傷を付けてしまう方が怖いので
とりあえず、それで刈った。

刈った毛は、ビニール袋に入れていく。

お腹の方。だっこして抱えて、前足をおさえこみ、上から順に刈っていく。
股間の方になる。ここが一番怖いぞ。
下手に刈ってしまったら大変だ。
そこは、あとでハサミで切ればいいや。お尻もそうしよう。
そこだけ残して、脇腹も刈っていく。

セリューは嫌がりながらも、なんとか我慢してくれた。

スーパーのビニール袋。大きめの袋いっぱいに、セリューの毛がたまった。
しかし、ライオンカットまではいかない状態である。
これで、完全にきれいに刈ったら、どのくらい毛がたまるのか…?

毛を落とすためにシャンプーし、リンス。
セリューのシャンプーには、私は慣れているのでそう大変ではなかったが
私の体中、セリューの毛だらけになってしまった。
専門で、トリミングをされている方たちは、大変だろうなぁと今更思った。
アレルギーなんて持ってたら、マジで大変だろうなぁ。

毛が短くなったこともあって、シャンプー・リンスは楽だった。
しかも、その後の乾かすのも、楽だった。

私の初陣バリカンのおかげで、セリューはトラ刈りになった。
表面の比較的堅い毛が刈られたため、
背中の手触りがやけにふわふわになった(笑)

毛は、すべてとってある。特に固めの直毛は、自分で筆をつくろうかなと思っている。
どんな描き味になるのか、楽しみだ(笑)

まあ、当のセリューは、トラ刈りになっちゃったけれど
猫タワーのハウスにも入れるようになったし、
少しは涼しそうで、元気にバタバタ走り回っているし。
今年は、これでよしとするか。

来年は、ライオンカットだ。
ふふふ。野望は募る(笑)