★セリュー日記 ’03 7・8月★

 


●2002年7・8月

・「がさがさっ」
 セリューは今まで何度も書いているが、狩りへの欲求が強い猫だ。
 何にでも、よくじゃれる。
 そこらへんに何もないときは、自分の前足をクロスさせてケリケリしていたり。
 …結構楽しい(笑)

 さて、夏は部屋にはもちろんクーラーかけっぱなしだけれど
 そんなにガンガンに冷やしているわけではないので
 外から帰ったときとか、風呂の後とかはウチワを使う私。

 「あっちー」

 ぱたぱたとあおいで、そのヘンに置いて忘れていた。
 私は夏でもラグが敷きっぱなしなので、そのうちウチワはラグの下にまぎれてしまった。

 あるとき、ガシガシっと音がするので振り返ると、セリューがラグと格闘している。
 なんでこんなもんにじゃれているのかと思ってみていたら
 ラグの下からウチワを引っ張り出した。
 もしかしたら、これにじゃれていたのか?

 確かに、少し隠した状態で獲物を動かすと異常に食らいついてくる猫の習性。
 ウチワを床と平行にしてガサガサ横に振り、(風が出ない状態)
 ラグの下に入れたり出したりとしてみた。

 そしたら、もー、とんでもなくじゃれてくる。

 おもしろいでの、ラグの上でもガサガサ振ってみた。
 隠さない状態なのに、臨戦態勢になり、おしりをふってとびつき
 パンチをくらわしてからかみついたりしてきた。

 よくじゃれる猫だし、狩り欲求旺盛猫だというのはわかっているけれど
 ウチワにじゃれるか?!
 かさかさという軽い音に反応するのか、絵柄に反応するのか。
 (絵柄はどのウチワでもじゃれたので関係ないと思われ)
 それにしても、獲物としては、かなりデカイような気がするのだが…(笑)

 私がじゃらしたりとかしなくても、ラグの下にウチワがあると、勝手に遊んでいる。

 おかげで、うちのウチワはセリューの歯形と爪跡でボロボロ。
 ヘンな物にじゃれる猫だー(笑)

 皆様の猫でもどうだろうか? お試しあれ(笑)


 じゃれるといえば、夏になると虫がよく出てくる。
 もちろん、ゴキは楽しい獲物の最たるものだろうけれど(笑)
 何もないと思われる空間にじっと座り、何かを追っている猫。
 もちろん、ヒゲは前をむいてピンピン状態。

 猫のヒゲはレーダーなので、獲物がいるときは前をむくのだ。

 「まだゴキかな…」

 うひーと思いつつも、ゴキの体の断片をその辺に転がしておきたくないので
 セリューの視線を追う。

 何も見つからない。

 …ってことは、よく言われる人間の目に見えない「何か」を
 追っているのか?!
 夏にはよく特集される「あれ」が?!

−−−−−−−−−−−−−−−−−
「あれ」に関しては、私は別に怖いとかそーゆーのはありません。
元々霊感強い方なので、そこここ、あちこちに「存在(いる)」ってのはわかるし
危害を加えてこなければ、好きにしててって感じです。
まわりの皆さんが「きゃー」と恐怖混じりの好奇心でお話されるので
ネタとして話すときはありますけれど(笑)
−−−−−−−−−−−−−−−−−

 で、よーく見てみた。
 すると、小さい何かがぷーんと飛んでいる。

 蚊だ。

 うちの壁紙は白に近いので、黒っぽい蚊はすぐに見つかるのだ。

 私は、猫よりも犬と暮らしていた時間が長い猫好きである(笑)
 犬の視力はよくない。
 色の判断できなくて近眼だという話しもきく。
 なので、猫と暮らしていると、その、猫の視力の良さには驚かされる。

 空中に飛んでいる蚊を追うのは、人間でも途中で見失ったりするのに
 よく、ずーっとおいかけているものだ。
 (たまに猫も見失ってさがしてるときもあるが(笑))

 蚊だけではなくて、小さい蛾やクモも、よく追っている。

 小さい蛾は毒蛾もいたりするので私が捕ってしまうが、
 クモは害虫をとる虫なので、セリューの餌食になる前に、逃がす(笑)

 それにしても、猫が蚊をとってくれるようになったら、いいなぁ。
 蚊取り線香ならぬ、蚊取りにゃんこ。
 ジャンプして、前足でぽふっと捕るの。
 ひょー。かわいいぞー!
 …でもその後、食べちゃったりとかしたらイヤかも(笑)

 結局、目で追っていた蚊を、セリューは捕まえることができなかったようだ。
 後は人力か?!
 最近は、たまに猫のフィラリアの話しも見たりする。
 室内で蚊を追うセリューを見ていると
 やっぱり、猫にもフィラリア予防しておいたほうがいいのかなぁと
 思ったりもするのだが
 セリューの毛深さを見ていると、
 よっぽど顔に近づかなければ、蚊がさせないような気がする…(笑)
 犬でも、短毛種はさされやすいけれど長毛種はそうでもないときいたこともあるし。
 (最近は犬も室内がほとんどだからあまり関係ないのかもしれないけれど)

 ともかく、結局のところ、人が許したモノしか狩れないのかもしれない(笑)








・「遅くなりました」
 仕事でバタバタしているせいもあって、セリューのワクチン接種が少し遅くなってしまった。
 獣医さんに聞いてみたら、大丈夫。との事なので、セリューを連れて行くことにした。


 キャリーを引っ張り出し、中にタオルにつつんだ保冷剤を入れる。
 当のセリューは…

 久々に出されたキャリーに興味を持って匂いをかぎにくるものの、
 キャリー=イヤな事が待ち受けている
 と覚えているのか、中には入ってこない。

 ネズミのオモチャをチラチラさせる。
 「ほーら、ネズミだよー」
 振ってかしゃかしゃ音をたてると、気にはするものの、来ない。
 キャリーの中にネズミのオモチャを入れたが、ダメだ。
 これでは、時間ばかりが過ぎてしまう。

 ええい。強硬手段。

 えいやっとセリューを抱えて、キャリーに押し込んだ。

 ぐお?!

 キャリーから、セリューがはみ出る。
 そんな。去年はギリギリでも何とか入ったはずなのに(泣)

 頭をぎゅーっと押し、しっぽも押さえこんだ状態で、フタをする。
 それでも、フタにセリューの長毛が挟まる。
 ひえー(泣) 
 「ぎゅぎゅっとぴっちり」
 こんな言葉がまさにぴったり(泣)
 猫は狭いところが好きな生き物だけれど、
 これほど自由を奪われた状態ではやっぱりストレスがたまるだろう。

 これは、早急に新しいキャリーを買わねばと思ったが、仕事の合間に
 なんとか取れた、ワクチン接種の日。
 今日を逃すとまたいつになることか…なので
 本日のところは、「ぎゅぎゅっとぴっちり」でがまんしてもらうしかない。

 ともかく、車に乗せて獣医に走る。

 案の定、車の中ではいつも聞けないセリューの鳴き声。
 「にゃおー?」「「にゃぁー」
 ミャウリンガルがあれば、なんと言っているのかわかるかも…
 と思いながらも「すぐだからねー」とごまかしごまかし急いだ。

 病院に着く。
 いつも空いている時間帯を狙って行くので、今回もばっちりだ。
 診察券を出して、ワクチンに来たと告げる。
 「あの、一緒に血液検査もして欲しいのですが…」
 とお願いする。

 猫は、ここがイタイとか言うことができない。
 ましてや、頻繁に病院に行かないセリューだから
 1年に1回くらいは血液検査をして、健康状態をチェックしなければなのだ。
 もちろん、人間も、同じ。
 会社員の人は会社で健康診断とかしてくれるけれど
 自営業の身としては、自分で健康管理もしなくちゃいけないし
 (健康を害すると、すべて自分にのしかかってくるからね)
 年に1回くらい、献血するか、かかりつけ医院で血液検査ぐらいは
 したほうがいいと考えている。

 カルテを探しているので、少し待つ。
 セリューは、もう、鳴きはしないものの、瞳孔全開(笑)
 しばらくして、呼ばれた。

 キャリーからセリューを出すと、覚えているのか
 ちょっと嫌がっている。
 私が押さえ込むと、お腹の下からネズミのオモチャが転げ出た。
 「そ、それは?」
 驚く先生。
 「あ、ネズミのオモチャですー(汗笑)」
 と、私。
 「お腹から出てきたから何かと思ったよー」
 確かに(笑)。でも、こいつ雄で去勢もしてるんで…(笑)
 触診して、聴診器あてて、耳の中や口の中や目を調べる。
 そして、体重。

 8.2kg。

 キャリーに入らなかったはずだよー。
 ああ、前もこんな事書いていたような気がするー(爆)

 先生は、でっかいねぇーと笑いながら
 「ちょっと大きいかなー。6kgぐらいがこの子にはいいかもねー」
 うーん。こいつは巨大種系だから6kgは少ないかなと思う私。
 でも、去勢すると太るっていうし、ご飯にライト系を多めに混ぜようと思った。

 本当の事をいうと、巨大猫は嬉しい(笑)
 おでぶちゃんで、体に負担がかかるってのなら別だけれど
 セリューの場合、体全体ががっしり系だもんね。
 手足の太さなんて、そこらの猫の比じゃないもの。
 (私に似ているのか?!(爆))

 実は、昔、会社つとめをしている頃、道路っぱたの軒下に
 白い物体を見かけたことがあったのだ。
 最初、犬だと思った。
 そう。中型犬クラス。
 しかし、その犬とおぼしき生き物の、顔が小さいのだ。
 よーく見てみてると、なんと、猫。
 もちろん、置物ではない。生きている猫だ。
 長毛種というわけでなく、白い、短毛種。
 カッコイー!!と思った。
 今なら、携帯とかでぱちりと撮っておけるのだが
 そのころそんなモノはないし、
 しかも、その後なかなか見かけることができなかったのだ。
 あれからかなりの年数が過ぎているので、
 もう、その白猫ちゃんは虹の国に行っているだろうけれど
 このこともあってか、犬より大きい巨大猫。あこがれていたのである(笑)

 で、話は戻って(笑)
 ワクチン接種に入る。
 看護婦さんがきて、頭をおさえ、首の下にチュー。
 セリューは、こういう時になると、あまり、暴れない。
 野生っぽい顔をしているくせに(笑)おとなしかったりする猫だ(笑)
 それから、血を採る。

 前足をのしっと出した状態で、先生が注射器を入れようとしたとき
 一瞬、セリューがびくっとした。
 「うおお…」
 焦る先生(笑)
 まあ、注射器を入れた瞬間にびくっとされたら、大変だものね。
 でも、なんとなく、可笑しい(笑)

 こんどは、足を動かさないように、看護婦さんに抑えられて、採血。

 注射器に、赤い物体が溜まっていく。
 「おおー。セリューの血だぁ、セリューの血だぁ(危)」
 心の中でつぶやく私(笑)

 血液を機械にかけるので、しばらく、待合室で待つ。
 その間、犬が何匹がやってくる。
 あんまり、交流はなかった。
 まあ、病院では、病気で来ていると思われる動物が多いモンね。
 うつされないように、うつさないように、側に行かないのが礼儀なのかも。

 そんな事を考えていたら、呼ばれた。
 検査結果のシートを渡される。
 おおむね。良好。
 この、おおむねというのには、実は、問題があったのだ。
 実は、腎臓の数値を示すところが、基準値をギリギリオーバーしている。
 先生が、少し怪訝な顔をした。
 「最近、食欲不振とか、よく吐くとかありますか?」
 「いいえ…いたって元気です」
 この数値だと、早急に入院して治療!というほどではない。
 年を取った猫がこの数値だとまだわかるのだが
 まだ若い猫がこの数値だと…と心配そうに語られた。
 食事でどうこうとか、薬でどうこうとかできる数値ではないらしい。
 「一過的なものだといいのですけどね」
 とりあえず、今は様子をみるということになった。
 そして、12月になったら、また血液検査をして状況を見て
 治療にはいるかどうするかを判断することになった。

 いろいろ試行錯誤して、なんとか尿路疾患から立ち直ってきたかと
 思ったのに、今度はそれよりひどい腎臓かい(泣)

 本当に、いろいろ心配をかけてくれる猫である(泣)






・「秋の風物詩」
 今年は、なんだか季節がヘンな感じ。
 夏は、妙に梅雨が続いて寒かったし、
 そのあとはなんだかいつまでもなま暖かくて秋っぽくないし。
 それでも、だんだんとやっとこさって感じで重たい腰をあげて季節が変わり始める。

 今年の、キンモクセイの頃は、仕事で死んでいた。
 マジで、これが続けば死ぬな。と自分で思った。
 自営業には過労死とかないのでどうなるのかなぁと思ったりもしていた。
 まあ、今、こうしてお気楽に書いているので死ぬことは無かったのだが
 現在(これを書いているのは12月(爆))、実はその頃の後遺症
 ―――肩こりに悩まされている。
 今まで、こんな風になったことはなかった。
 しばらくすればなんとかなっていた。
 しかし、俗に言う、肩こりで頭が痛くなるとか、気持ち悪くなるとか、初めて経験してしまった。
 バンテリンに頼ったりもしているが、すでに「どっか筋をいためたようにイタイ」
 ってのが続いているので、医者に通わなきゃダメだろうな。
 困った置きみやげをしてくれた仕事だったなぁ(爆)

 って、全然セリューの話じゃないぞ(爆)
 やっと、秋が来て、虫が鳴いてくれるようになったって話しにしたかったのに(爆)
 ってことで、強引に戻る(笑)

 外では、虫がリーコロリンリン涼やかに歌い始めていた。
 虫の鳴き声っていいよね。
 風流だし、なんか、心のどこかが落ち着く気がする。
 電話では、鈴虫の音は聞こえないらしいけれど(トリビア(笑))

 虫の声に耳をすましながら、夜、台所に立った。
 と、ガス台の方から突然
 「リー… ルリリー 」
 音がする。かなり、近い。
 これは、もしや外ではなくて、中で鳴いているのでは?
 ガス台を見る。
 びょんっと茶色い物体。

 一瞬ビビルよねー。
 だって、「台所+虫+茶色=ゴキ」って
 頭の中で計算しちゃうもんー。

 しかし、形状がゴキではないのでちょっと一安心しながら
 ガス台は危ないので、救出しなければと思った。
 うちのガス台は、3穴式。魚焼きもついている。
 魚焼きの煙が出てくる横のところ
 (なんていうのかわからない(爆))
 そこに、入ってしまった。
 あわてて、箸でつまみだそうとしたが
 滑ってうまくいかなく、結局中の方に入ってしまった。

 「おいおいー(汗) これから、火を使うんだよー?
 熱くて焦げちゃってもしらないよー?」
 虫に話しかけ、ごめん! と言いながら火をつける。

 セリューはというと、近い虫の鳴き声に反応して
 きょろきょろ探していたようだったが
 見つからないのであきらめた感じだった。

 そして、私はすっかり忘れていたのだ。

 2、3日経ったある日。
 なにげに床を見ると、茶色い物体が転がっている。
 また、何かのゴミかなーと思ってよく見ると…

 虫の足。

 しかも、筋肉部分のような太いところから想像すると、ゴキではない。
 もしかしたら…
 そう。台所で鳴いていたコオロギ? スズムシ?

 火あぶりを免れて、やっとガス台から抜け出られた後、
 セリュー地獄が待っていたのだ。

 本体の姿は、どこにもなかった。
 トカゲじゃないけれど、片足を犠牲にして
 逃げ切れたことを祈ろう(爆)