★セリュー日記 6月★

 


●2001年6月

・「カリカリ&ミルク」
 牛乳2本で300円。安さにおされて買ってきてしまった。
 スープやコーヒーに使うのはいいとして…ふと、セリューに目をやる。
 牛乳、試してみよう。
 ひらたい小皿を用意し、あげてみる。匂いですぐわかったのか、すぐに皿に顔をつけた。
 くしゃみもしないでうまく、しかも、よく飲む。
 まだ、水はくしゃみしながら飲む時があるというのに。
 たった2.3ccぐらいだったけど、なんだかその後は満足げな表情を見せていた。
 これは、そろそろ、カリカリも食べられるのではないかという野望にかられる。
 夏場は、ふやかし&缶詰は、出しっぱなしにできないから、早くカリカリにしたいと思ってるのだ。
 夕飯時。お腹がすいたと、台所に来た時、試しにカリカリをあげてみた。
 はぐ。カリポシポシ。ごくん。
 おお。食べられるではないか。ちゃんと噛めてるぞ。
 ひゃっほう。レベルアーップv
 ご飯をあげる時、今までと同じふやかし&缶詰のご飯もあげるけれど、カリカリも出すようにした。
 ふやかしご飯の後で、カリカリを食べたりしている。
 おおー。これで、オッケーだぞう。

 でも、少しだけ、食べる量が減ったような気がした。
 ふと、とあるメーカーのカリカリに、鰹節や煮干しがついていたのを思い出した。
 棚の奥から花がつおの少量パックを探し出す。
 袋を開けた匂いをかぐや、鼻をひくひくさせて、寄ってくる。お。お客さん、好みだね。
 カリカリに、ちょびっとかけてみた。
 この匂いには、待てないぞ。といった風に食べている。
 …確か、セリューって洋猫だよね。まあ、洋猫だけど日本生まれ(たぶん)だから
 魚系が好きなのかもしれないニャァ。
 だって、鮭を焼こう物なら、この匂いの本体はどこどこどこ?って台所をうろつき回るもの。
 そういえば、タマもカリカリを食べない時は、煮干しを混ぜてあげていたな。
 煮干しはどうだろうな。今度、買ってきてみよう。
 人用のはしょっぱそうだから、やっぱ、猫用。
 缶詰の補充もあったので、店に行って、おやつコーナーを見てみた。
 煮干し…は、やっぱ、まだ大きいような気がするなぁ。
 もちろん、犬用よりは断然ちいさいんだけど、自分が煮干しを食べる時
 のどにひっかかる事を思うと、もう少し経ってからがいいのかなぁ。
 煮干しの粉は、ちょびっと試してみた。だしようのやつ。
 それは、同じくよく食べたので、味だけ覚えさせておけば、後で困ることないだろうし。
 猫用の煮干しは、また今度にしようっと。
 猫用鰹節はなかったけれど、おきあみのようなエビがあった。
 ちいさいのが、うわーって入ってるヤツ。
 これ、試してみようかな。食べなかったら、一袋じゃ多いけど、ま、いっか。

 買ってきて、袋を開ける。匂いがしたとたん、目の色が変わった。
 にゃー、ちょうだいちょうだい、それ、ちょうだいーvvv
 袋につっこまれる頭を制止しながら、ご飯にちょびっとだけふりかけた。
 はうはうはうはう。ひょー。驚くほどよく食べる。
 うんうん。いろいろ食べられるようになってきたのねぇ。しみじみ。
 でも、あくまで、これは、お・や・つ。
 しかも、毎日はあげないからね。ちゃんとご飯をたべようね。




・「きゃぁぁ」

 獣医さんから連絡を頂いて、2回目のワクチンと健康診断。
 電話連絡してから、伺った。
 あいかわらず、まだキャリーを買っていない私は、購入当時の箱を再び組み立てて
 ペットシーツを敷き、セリューを封印した。
 車で5分とかからない距離なのだが、やはり、不安で鳴く。
 「もうすぐだからねー。大丈夫だからねー」と話しかけながらも、その鳴き声に胸が痛む。
 獣医さんに入る。待合室に誰もいなかった。
 お。これは、院内感染とか心配しなくていいぞー。なんてお気楽に構えていた。
 うんちを渡し、すぐに診察室へ。
 と、私の目に飛び込んできたのは、となりのベッドに寝かされている猫。
 一瞬、ぎょっとした。
 手術後の様子でお腹とおしりのあたりは毛が剃られ、消毒薬が塗られ
 エリザベスカーラーをつけられ、点滴されている姿だった。ぴくぴくしている。
 その痛々しい姿に同情するけれども、セリューのことが気にかかるからだ。
 おいおい、ちょっと待てよー。院内感染とかしたら、どうしてくれるんだ?!
 なんか、この病院はやめたほうがいいのかなって気に、一瞬なった。
 でも、私はつとめてにこやかに、その猫の病状を聞いた。尿結石らしい。
 すでにつまってしまってどうにもならなくなって、手術をしたとのこと。
 感染性のある病気じゃなくてよかったけど、診察室に出しっぱなしにしておくものなのかなぁ?

 セリューを箱から出すと、相変わらずやんちゃぶりを発揮する。
 隣で寝ている(ベッドは1mくらい離れているけど)猫には、我、関せずだ。
 今回は手術があったせいか、前よりも獣医さんの数が多かった。
 なので獣医さんの一人がセリューをおとなしくさせる。
 おいおい、その手、ちゃんと消毒してるんだろうなぁ?と、ちら、と思ってしまった。
 まあ、汚れた手でないのはわかってるんだけど、やっぱり、この状況じゃぁそう思うよね。

 体重は…1.3kg。先月の2倍になっている。
 どうりで! 箱に入れる時、なんかだいぶ大きくなってる気がしたのだ。
 でも、太ってるわけではなさそうだ。ちょうどいい肉の付き具合と獣医さんは言った。
 耳と、口の中と、心音と…一通り健康診断して、異常はなかった。
 さて、とワクチンが打たれた。
 「おとなしくしていますねぇ」
 支えた獣医さんが言う。そうなのかな。抑えてるからかもよ(笑)

 再び箱に入れて、待合室へ。
 うんちを持っていったので、その検査に10分ほどかかるのだ。
 待合室の窓が空いており、となりのスーパーの、パンの焼ける匂いがしてくる。
 いいにおいだなぁー。私のお腹がぐうとなる。
 セリューは箱からのぞく小さい穴から鼻をつきだし、ニャァニャァと心細げに鳴く。
 たまに、呼んでる声も出す。
 突き出ている鼻に、私の手の匂いをかがせるが、効果はない。
 穴に指をいれて、セリューをなでる。
 「大丈夫だよー。もう少しだからねぇ」
 この言葉ばかりいってるような気がする(笑)

 「セリューさん」
 呼ばれて、前と同じくワクチン摂取後の話を聞いた。
 診察カードに、なんのワクチンを接種したかのシールが貼られている。
 そして、おもむろに薬を渡された。
 なんだろうと思うと、小さな紙片。
 「検便の結果、回虫の卵が見つかりました」
 ぎゃぁぁぁー。(心の叫び)
 「あの、あの、前はいないって出たんですけど。どこで感染しちゃったんでしょう?」
 (少しだけ、感染はここか? という気持ちもある(笑) いかんなー)
 「前は、たまたま出ていなかったのかもしれません。
 親猫の口からとか、うつるんですよ」
 (まあ、確かにその日のうんちによるのもあるみたいだけど、“虫”のひびきにおぞぞが走る。)
 ふるえる気持ちを抑えながら、二つに割られた薬を受けとった。
 「お腹空いている時にあげてくださいね。そして、もう一つは、1週間後に」
 とりあえず支払いをすませ、また車の中で
 「大丈夫よー。もう少しよー」
 を繰り返し、家に着いた。
 セリューの腹の中には、回虫がいるのか!!
 猫には、よく虫がつきやすいという。早く駆除しなくては。
 でも、今日はワクチンを打った日だぞ。体力も普通よりおちてるはず。
 まあ、セリューはワクチン打っても全然平気!って感じのヤツだけどさ。
 今日、駆除の薬をあげてもいいのかな。と思いつつも
 後少ししてお腹がすいたら、あげるぞ。
 回虫というひびきにムキーッとなってしまった私は、もう、誰にも止められない(笑)

 ノミからうつる虫もいる。そっちの方が大変だ。セリューに、今のところノミは見受けられないけど
 どこからノミーが進軍してくるかわからない。ノミ用の薬も用意せねば。
 うううー。なんか、頭がぐるぐるしちゃうー。




・「薬」

 そろそろお腹が空く時間。と思って、ケージからセリューを出した。
 ごはんは残ってたりしたのだけれど、そろそろ、また食べる時間なはず。
 ケージから、まず残っているご飯をとりだす。
 人が近くに来ると、残ったご飯をちゅぱちゅぱし始めるからだ。
 そして、薬を取り出す。
 セリューを抱え、左手で口を開ける。
 右手で、じゃれつく前足を掴んだ。
 セリューはゴロゴロとのどを鳴らしている。ううう。嬉しいのかぁ? これから薬をあげるんだぞう。
 ぺっ、とはき出さないように、のどの奥に入れなくては。
 それでも、器用な犬猫ははき出してしまうらしい。
 ふにょふにょ動くセリューの、のどの奥をめがけ、落とす。
 どうかな? どうかな?
 はうはう、んくんく。
 たぶん、これは飲んでくれているのだと思う。
 用心のために、その後牛乳をあげた。
 水と違って、牛乳は自分から進んで飲んでくれる。もしかしたら、うちに来る前にあげていたのかもしれない。
 お皿にちょびっとだけど(笑)
 全部飲み終わった様子をみると、完全に薬は飲みこんでるようだ。よかった。
 回虫駆除、第一隊、突撃だ。ちゃんと回虫を討ち取ってくれよぉー。




・「にょろ」

 ワクチンの日と、回虫駆除の薬を同時期にあげてしまった心細さから、
 仕事に押されている身ではありながら、セリューの様子を注意深く、見守る。
 こ、このお腹の中に…回虫が…。あううう。

 ネットで、回虫の事について調べまくる。
 少し前に、公園のお砂場が猫トイレになっていることがニュースになっていた。
 お母さんや自治体の人達が、やっきになって、猫が砂場に入らないようにシートをかけたり
 フラッシュをしかけたりとかしてたっけ。
 回虫の卵は、子供の目にはいると肉芽種になるらしい。症例としては少ないみたいだけど
 HPによっては、注意をうながしている。
 また、人の体に回虫が入ると、肝炎みたいな症状や、下痢をするらしい。
 でも、本来の宿主じゃないから、結局は、いつかないらしいけど。
 自分の体に回虫が入り込んじゃうのも、イヤだけど、
 この小さな体に回虫が、せっかく食べた栄養を吸い取ってるのは、すごく許せない。
 ブリーダーさんは、週に一度はトイレ掃除&殺菌したり、虫駆除の薬を飲ませたりとかしなくちゃいけないらしい。
 ってことは、セリューのお母さんを飼っている人は、それを怠ったって事なのかな。
 子猫が回虫を持ってる可能性は、40%ぐらいだそうだ。以外に多い。
 母猫の口から、母乳から、感染するらしい。
 また、子猫の間に虫が成長すると、下手すると危なくなる可能性もあるようだ。
 ブリーダーしている人達、ちゃんとしてくださいよぉ。そうしないと、減らないんだから。

 そうこうしているうちに、セリューがトイレに行った。
 念入りに砂をほじくって、お尻をあげている。これは大の方だ。
 隠し終わった後、即座にセリューをケージから出して、お尻をキレイに拭いて、スコップでお宝探し。
 あった。いつもの、健康状態を見るのと同じように、つい、やっぱり見てしまった。
 ぎゃぁぁー。白くて、細いのがひくひくしてるよぉー(泣)
 うえーん、ヤダよぉー(泣)
 と、いうのも、この細くて白くてうにうにしている物体には、すごく嫌な思い出があるからだ。
 昔、まだ私が若かりし頃(笑)。家族でご飯を食べている時、母に「ゴマのビン取って」といわれた。
 もちろん、なにげなしに、棚の奥から取り出す。
 ん? なんか、白ごまなんだけど、様子がへんだぞ。
 目の悪い私は、そのビンを顔の前までもってきて、「へん」を確認した。
 …その光景は、今でも目に焼き付いている。
 白ごまの間に、縦横無尽に細くて長くて白い虫が、うにうにとうごめいていたのだ。
 「う、うわぁぁっ!」
 悲鳴と共に、私はビンを投げ捨てた。あとはどうなったか、知らない。きっと、母が探して捨てたのだと思う。
 それから、白くて細くて長い虫は、イヤだったら、イヤなのだ。
 でも、セリューの親代わりな私は、そうもいってられない(泣)
 奥歯をかみしめ、慎重にビニール袋に入れ、またそれを二重、三重と厳重に袋に入れる。
 明日がゴミの日でよかった。
 当のセリューは、けろっとしている。普段と同じようにはね回りながら遊び、ご飯ももりもり食べる。
 ううう。一週間後にまた薬をあげるということは、またこれを繰り返す可能性があるのね。
 にゃぁー。お願いだから、子猫を産ませる前は、虫の駆除してくださいー(泣)




・「トントン…」

 この前、TVで猫と“だるまさんがころんだ”をしている光景を目にした。
 でも、あれは、猫の習性もあるから、誰が教えるのでもなく、する猫はするんだろうな、と思っている。
 セリューにもやってみたくなった(笑)
 「だるまさんがころんだ」
 えへへぇ、と思いながらふり返ると、そこにはセリューの姿はない。
 自分で蹴ったおもちゃを追って行ってしまっていた。
 ちえー。でも、今度は見えるところで再チャレンジ。
 「だ・る・ま・さ・ん・が、ころんだっ」
 …セリューはぱたぱたと一匹で、勝手に遊んでいる。やっぱだめか。
 でもでも、名前を呼んだり、顔を見たりすると、「ん?」って丸い目して見てくれるから、
 きっと、もう少ししたらやってくれるだろうと淡い期待を寄せる私だった。

 TVでやってるのとは別にして、タマのことを思い出した。
 タマは、私が座って膝を叩くと、すぐに膝にのってくる猫だった。
 セリューにも、試してみよう。
 少し遠くで遊んでいるが、名前を呼んで、注意を向ける。
 トントントン…膝を叩く。
 と、セリューは獲物を狙う体勢になった。ん。なんだ、この行動は。私の手が止まる。手が止まると音も止まる。
 ピタ。とセリューの動きも止まった。
 再び、私は膝を叩いた。トントントン…
 その音の間だけ、セリューはそろそろと獲物を狙う体勢のまま、前進する。
 私が止めると、セリューも止まる。
 お。これは、おもしろいぞぉ。
 何度か繰り返すと、私の手の所まで来た。何をするのかなーと、ワクワクしながら思って見ていたが、
 くんくんと匂いをかいで、何もないとわかると、したたっと他の遊びに向けて走り去ってしまった。
 後に残された私は、なんかさみしいぞぉー、セリュー。
 でも、おもしろいから、またやろうっと。


・「ぴくぴく…」
 セリューをケージから出して、しばらく経った時、鳴き声が聞こえた。
 私はその時ゲームをしていたので、最初はゲームの音かと思った。
 でも、確かに、セリューの声なのである。
 見てみると、私の側で寝ていた。
 寝ている時ぐらいしか、さわりたおらせてくれないので、ここぞとばかり、手をだした。
 「んな、ニャァ…」
 鳴いたので、びっくりして手をひっこめる。
 両手両足がぴくぴくと動き、瞬まくが見えている状態。
 これは、夢を見ているのでは?!
 しばらく様子を見ていた。
 鳴き声は、なんか悲しそうな感じに聞こえる。
 ペットショップに来る前とか、親と離される時とか、そんな夢を見ているのかもしれない。
 なんか、不憫になった。
 「よしよし、いい子だね。大丈夫だからね。愛してあげるからね」
 起こさないように、やさしく、なでてあげた。
 すると、同じように鳴き声をだしているのだけれども、なんか安心したような声になった。
 そして、すぐに鳴きやんでくーくーと軽い寝息をたてるようになった。
 猫は、どんな夢を見ているのだろう。
 私のトコロにくるまでに、どんなことがあったのか、私にはわからない。
 夢で見るほど、なにかあったのかもしれない。
 夢見る顔は、ちょっと怖かったけど、それもまた、愛しい。
 たくさん、かわいがってあげるからね。安心していいんだよ。




・「ずだだだっ」

 お仕事中、セリューはケージの中にいる。もうしばらくしたら、仕事中でも出してあげようと思ってるんだけど。
 まだちょっと何するかわからないから(笑)、待っててね、セリュー。
 でも、私のお昼休みとかは、もちろん出して遊んであげる。
 ケージから出た時のセリューの勢いは、そりゃ、もう、スゴイ(笑)
 最近は図体も大きくなってきて、筋力もついたせいかどこでもかけあがる。
 ずだだだだっと音がして、見ると戸棚の上とかパソコンの上とか。
 もちろん、その辺にあるものを踏み台にするので、不安定につまれた本などはけちらかされる。
 そして私はその本を片づける役にまわるのだ。
 私の衣類も、例外ではない。特に、靴下。
 セリューは靴下を自分の獲物だと思っている。私が遊ばせてたせいもあるんだけど
 噛んで猫キックして…の大きさに、ちょうどいいらしい。
 で、私がちょっと外に出ようとして靴下を探すと、ない。
 洗濯したものから、これから洗濯しようとカゴにいれているものまで捕まえてきては
 くわえて運び、行方しれずになってしまうのだ。
 「セリュー、靴下どこやったのか、知らない?」
 毎度聞くが、セリューはそんなの知らん顔。まん丸な目で、「遊ぶの?」と見るだけだ。
 これから夏だから、まだいいけどさ。
 冬になったら、足が寒いぞう。




・「2回目駆虫薬投与」

 さて、一回目の駆虫薬から一週間がすぎた。二回目の薬をあげなくては。
 また、あの、細い紐のようなものを見ることになるのかな…。
 にゃー。やだなぁ。と思いながらも、セリューのお腹の虫の方が気になるから、投与しないわけにはいかない。
 薬を用意して、セリューをつかみ、口の中へポイ。
 はうはうはう。
 この猫は、薬の投与がラクかもしれない。すぐに飲みこんでくれるもの。
 それから、しばらくはうんちの確認に明け暮れた。
 でも、今回はひも状の白い物体をみることはなかった。
 一回目で、全部出ちゃったのね。ほっ。よかったぁ。
 っていうか、二回目も出るようだったら、それこそ虫に体中が侵されてることにもなる。
 そっちの方が、怖かったかも。
 虫といえば、最近、暑くなってきたせいか、ショウジョウバエが出没するようになってきた。
 ネコトイレは、もちろん、マメに片づけている。ごはんだって、水だって、頻繁に取り替える。
 それでも、何故か目の前をかすめるのだ。
 必死になって、私とセリューで捕まえる。セリューは、どちらかというと、遊びだけど。
 まだ、たまーにセリューはうんちを踏んでしまう時があって、ぴぴぴとそこらへはねまく。
 全部、キレイにしていたと思ったのだけど、なんか、クサイ。
 ショウジョウバエが気になって、よーく探してみたら、ネコトイレの内側に飛ばされたウンチが張りついてた。
 これか! とクサイ原因はとったものの、まだハエは飛びまくる。
 仕方がないので、ハエポットとか、昔懐かしいハエ取りリボンとか、買ってきた。
 ハエポットはまだいいけれど、ハエ取りリボンにセリューがくっついたら、恐ろしいことになる。
 どこに下げよう…と思案を重ねた。
 結局、セリューが一番手が届かないであろう、電気の下に下げることになった。
 セリューはいいけれど、人間がそこを通る時、気をつけなければ髪の毛が、服が、アウトだ。
 でも、ハエ取りリボンって以外と取れるのね。他にゴミ箱の上とかに下げておいたら
 結構くっついていたもの。なんか楽しい。毎日何匹取れているか数えてみたり(笑)。
 そして、気がついた。トイレの掃除の時にシーツを取り替えたら、
 下からショウジョウバエが飛び出てきたのだ。
 セリューのケージは、下がすのこになっている。そこにこの湿気で温床をつくっていたらしい。
 ぎゃー。
 必死で、ケージを洗い、まわりを丁寧に掃除・消毒した。
 はうう。疲れたー。
 セリューはなんだか普段と違うケージの様子に興奮して、部屋中を駆け回る。
 掃除も終わったので、私はセリューのご飯の用意をしていた。

 ずだだだだ。

 ざく。

 「いったぁ!」

 ずだだだだ。

 台所の壁の前で急ブレーキをかけたセリューの後ろ足の爪が、私の柔肌(笑)にささったのだ。
 怒ろうにも、そこにセリューの姿はない。足を見ると、血がぷくーっと出てきていた。
 あうあうあう。とりあえず、血を絞ってから、消毒をした。
 にゃー。さらに疲れたぞぉー(泣)




・「ふわふわ」

 最近、暑くなってきたせいか、さすがのセリューにも、抜け毛の季節がやってきた。
 今まではそれほど気にならなかったので、通常のブラシだけしていたのだけれど
 ケージにしいているペットシーツに、毛が付いているのが見えたのだ。
 セリューは長毛なので、抜ける毛も長い。私と同じー(私も長毛種(笑))
 ゴムのついているブラシを使って、おなかから、せなかから、全身なでまくる。
 もちろん、普通に遊んでる時は「なでてなでてー」なんてしない猫だから、
 眠くなってゴロゴロしているときに、ここぞとばかりに、なでまくる。
 元々冬毛だったという訳じゃないから、ごそっと抜けることはないんだけど
 ブラシに、いつもより多く毛がつく。
 それを丁寧に集めた。お、これは…?
 セリューのアンダーコートは、ヒツジの毛のよう。
 毛をよりあわせて、糸のようにしてみた。
 ふふふふふ。
 ちゃんと毛糸になるじゃないの。まあ、きちんと紡いでいないから、
 ひっぱったらすぐにきれちゃうけどさ。
 これを、少しずつためていったら…もしかしたら、セーターまではいかなくても、
 マフラーぐらいできるかもしれない。
 冬のお出かけの時に、セリューの毛が私の首を暖めてくれる…
 なんてことを考えたら、嬉しくなってしまった。
 ノルウェジアンは、抜け毛の季節になると子猫一匹ぶんぐらいでるらしい。
 今は、セリュー自身が子猫だからまだまだだろうけれど
 もしかしたら、この計画がそのうち、うまくいくかもしれないなんて密かに思っている。
 世の中、毛皮を着たいなんてひとが、まだいるみたいだけど
 抜け毛でがまんすればいいのにな。ダメ?




・「ちょーニャイ!」

 セリューの朝は早い。ついでに私も最近は、朝が早くなった。
 朝ご飯を食べて一仕事して、ちこっとお昼寝をしたりする。(笑)
 朝ご飯の定番といえば、目玉焼き!
 私は、この目玉焼きにはちょっとこだわりがある。
 ひとつ目でもふたつ目でも、白身はきっちりと固まり、少し、はじっこがパリパリとしたかんじ。
 そして黄身は、絶対的にレア。それも、火が通って少し濃くなった感じで。
 目玉焼きを焼く時は、他の作業はしない。
 フライパンを熱し、バターを溶かして、卵をぱりっ。
 すかざず、蓋をする。そして、しばらくしたら、少しだけ水を入れる。蒸し焼きだ。
 この時間のタイミングが結構難しい。時間が経つと、黄身が固まってしまうから。
 水がなくなった頃をみはからって、すかさず皿に移す。黄身がぽよよんとした目玉焼きの、完成。
 ご飯を軽く盛って、目玉焼きをのせる。おしょうゆたらして…
 えへへぇ。なんて思って、ご飯を食べていたら、セリューがずだだっと走ってきた。
 くんくん匂いを嗅いだと思ったら、私の器に前足をかけてくる。
 「これなに? すごくいいにおいするの。ちょーニャイ!」
 とでも言ってるように。手にはやけに力が入っている。
 「うわっとっと! ダメだよ! セリュー!!」
 きちんとしつけはしなくちゃいけない。
 しかも、セリューのごはんはさっきあげたばっかりだ。
 でも、親バカなんだねぇー(笑)
 台所へ行って、ご飯つぶを少し小皿に盛って、
 その上に少しだけ、お醤油のかかっていないレアの黄身をたらした。
 セリューのトコロへ小皿をもっていってあげる。
 私の器に手をかけて、怒られたセリューは他の遊びをしていた。
 「セリュー?」
 私が呼ぶと、すかさず飛んでくる。
 小皿をみつけるやいなや、ご飯&黄身をあっという間にたいらげた。もともと少しだったけどね。
 もしかして、まだ欲しがるかな? と様子を見ていたら、満足げに毛繕いを始めた。
 あらためて私は自分のご飯を食べようとした。もしかして、また来るかな?と思ったけど
 今度はあちこち遊び回って、来なかった。
 ちょびっとだけでも食べられると嬉しいのね。
 まあ、毎日はあげられないけど、たまには、ね。




・「風呂場大好き」

 夏場は、あつい。今住んでるところの風呂場は、下がタイルになっている。
 冬なんぞに足をふみいれたら、冷たくて心臓が凍っちゃいそうだけど、夏場はやはり、気持ちいい。
 セリューもそうなのか、よく、風呂場で寝そべる。セリューが入ったら大変なので、風呂桶に水は入っていない。
 猫に限らず動物は、部屋の中で一番涼しいところを探す達人といわれている。
 でも、私が風呂場を使ってる時に入ってこられると、困るのだけどなぁ。
 風呂場の入り口が木戸だったから、シャワーカーテンを取り付けた。
 めんどくさいから、木戸はしめずにそのカーテンだけ閉めている。冬は寒いけどね(笑)
 で、シャワーを浴びていると、カーテンがわさわさと動く。
 何かと思うと、カーテンの裾から、セリューの鼻っ面がでてくる。
 まあ、いいか。なんて思っていると、ぐいぐい中にはいってきてしまうのだ。
 いくら暑い時っていったって、水シャワーをするわけじゃないんだから、
 セリューにとっては暑いだろうにと思うんだけど、くんくん匂いを嗅ぎながら、中に入ってきてしまう。
 「これ、セリュー。お湯がかかるよ」
 シャワーの音はなんとなく、嫌そうなんだけど、少しぐらい水がかかるのはあまり気にしないらしい。
 足に水がついたのは、ぴぴぴとはらうくせに。
 「セリュー、いつまでもここにいると、洗っちゃうよ?」
 ちょっとおどしてみる(笑) でも、セリューはいっこうに気にしない。
 「本当に洗っちゃうよ?」
 わざと、お湯をセリューに少しかけてみる。それでも出ない。
 これじゃあ、私はいつまでたっても頭も、体も洗えない。
 「ほれほれ、出なさいってば」
 強硬手段。ぐいぐいと手でセリューを追い出す。
 それでも、しばらく風呂場の前をうろちょろしていたりする。
 セリューを洗った時、そんなひどくはなかったけど、やっぱり、嫌がったのになぁ。
 猫って不思議だ(笑)




・「実は…」

 私は、猫というとすりっと寄ってきて、なでてーと甘える生き物だと思っていた。
 実際、タマやライルがそうだったから。
 ごろんとひっくり返り、「お腹なでてー」
 膝をたたくと、「だっこしてくれるの? やったぁv」
 というかんじで、猫ライフを満喫していのだ。
 でも、セリューは違う。
 猫にだって、それぞれ性格があるから、違うのだってわかってるんだけど。
 まだ、赤ちゃんだから遊びたい方が先にきちゃうってのも、あるかもしれないんだけど。
 普段遊んでいる時に、セリューはなでさせてくれない。だっこも、すぐに逃げていってしまう。
 セリューって、もしかして、人間が嫌いなの? と言われるかもしれない。
 でも、実は非常な人間好きなのだ。
 猫は、甘えている時、嬉しい時、のどをならす。
 セリューも、逃げるクセに、だっこをすると、のどをならしているのだ。
 「ぼく、うれしくなんかないもん。自分であそぶんだもん」
 手足はばたばたしていても、のどはゴロゴロゴロゴロ。
 「ふふふん。イヤじゃイヤじゃといっていても、のどは正直じゃのう」
 ニヤリと笑う私。
 「あそびたいんだってば。うれしくないもんって!」
 ゴロゴロゴロゴロ。
 「ふふふ。ういやつよのう」
 まるで、自分が悪代官になった気分だ(笑)
 セリューは、それからびよんっと飛んでいってしまい、一人で遊んでいる。
 一人で遊び始めると、のどのなりがやむ。
 しばらくすると、そばまできて、ごろんと横になる。
 私が見ると、のどがなる。
 「そうか、セリュー、かまってほしいのねぇー」
 なんて手を出すと、
 「ちがうもん。ちょっとここで座りたかっただけだもん」
 ゴロゴロゴロゴロ。
 以下、繰り返し。
 素直になれよ、セリュー(笑)。




・「がぶっ」

 買い物に出かけた時に、カリカリの試供品をもらった。
 あちこちのショッピングセンターでくれるから、今、ちょうどそういうセールをしてるんだろうな。
 成猫用のをくれようとしたから、
 「子猫用、ください」
 と言ってもらってきた(笑)
 アイムスだったので、それをメインにしようとは思わないけど
 (最近、セリューのメインご飯は、素晴らしい頭脳の持ち主である夏緑博士から教えて頂いた
 しろまんまに、缶詰類のトッピングとなっているから。)
 いろんな味にとりあえず慣れさせておこうかな、と思って、2・3個を手に取り、あげてみた。
 セリューは、人の手からだとなんでも食べるというトコロはあるけれど
 食べ終わった後でも探すようにしているので、もう少しあげてみようと手に取った。
 少し多めにのせる。
 だって、手からふがふが食べてくれるのって、すごく幸せなんだもん♪
 そんな幸せを感じていたら…
 「がぶっ!!」
 「☆▽▲●◎★□!」
 セリューが、カリカリをはぐっとしようとした瞬間、実はそこは私の指だったのだ。
 これは、セリューが悪いわけではないので、「痛い」とも叫ばずに、がまんした。
 まだ手に残っているカリカリを小皿に移し、自分の指を見た。
 小指を挟むようにして、犬歯の(猫だと、猫歯になるのかな)入ったあとがある。
 とりあえず血を絞り出して、消毒した。にゃー。しみるー(泣)
 バンソコを張って、セリューの様子を見た。
 消毒やバンソコの匂いが気になるのか、くんくんと嗅いでいる。
 セリューにしてみたら、噛みでがあったろうなぁ。
 これで、人間の味を覚えなきゃいいけど(笑)
 まあ、噛んだ瞬間、「しまった」とうい顔をしてひいたから、大丈夫だろうけれど(笑)




・「ありんこありんこ」

 お昼ご飯を食べていたとき、いつものようにセリューをケージから出して遊ばせていた。
 ふとセリューを見ると、何かを追っている。
 まあ、ショウジョウバエとか、小さい蛾とかが飛んでたりするから
 それを追ってるんだろうな、と思ったら、床を追ってるじゃないの。
 うちには、クモがよく出る。ついでにダンゴムシもたまに入ってきたりする。
 それかな? と思ってほっておいたら、
 手でぱしぱしっと叩いて、鼻で嗅いで、鼻の穴に入ったのかどうしたのか
 ぷしぷしと鼻息を荒くしていた。
 ん? これは、なんだろう。
 一応、変な物を食べたら大変なので、セリューの気にしていたトコをチェックする。
 ぎょ。ありんこだ!
 黒くて、小さいタイプのやつ。
 あわてて、ティッシュをとり、ぷちっとつぶす。
 「大丈夫? 、セリュー、噛まれなかった?」
 セリューは、あまり気にしていない。
 ありんこは、ゴキブリじゃないけど一匹見たら、
 行列をつくって進入していると思わなくてはいけない。(すず猫経験談)
 で、他のありんこがどこにいるか、探した。
 ふすまのところに、やっぱり列を作っていた。
 ぼぼぼっとティッシュをつかみだし、
 取るべし! ぷち
 取るべし! ぷち
 取るべし! ぷち
 私は、素手で虫を捕まえるのがトクイだ。飛んでいる蚊やハエ、アゲハチョウまでゲットできる(笑)
 ふすまのありんこを取り終わって、私がほっとしていると
 セリューがクッションの下をめくるようにくんくん匂いを嗅いでいる。
 これは…もしや…?
 クッションをべりとめくると、そこには、やはりありんこの行列。
 ひょえー。取るべし取るべし取るべし!!
 ありんこの匂いがしたのかな。やはり、動物の鼻はスゴイ。
 とりあえず部屋の中のクッションをすべてめくり、確認した。もう、いなかった。
 そして、どこから進入してきたのか、さぐる。
 セリューが、玄関のドアの下でまたアヤシイ動きをしている。
 そうか、ここからだな!
 そのまま玄関をあけてしまっては、セリューも出てしまうので
 とりあえず、セリューをケージにもどして、キンチョール片手に玄関を出る。
 薄くはなっているが、フェロモンの後があるのだろう、ありんこがふらふらと行列をつくろうとしている。
 うら! ぷしー。
 行列の匂いを消すために、ふきつけた。
 これで、入ってこなくなるだろう。
 虫取りに関しては、セリューと最強タッグが組めるかも。


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