★セリュー日記 9月★

 


●2001年9月

・「どこ?」

 最近、キャリー移動に慣れさせようと、猫母さんの家に行く時は
 セリューを連れて行くことが多い。
 本日も、短い時間だったけれども、連れて行くことにした。
 (猫母さんも喜んでくれるし(笑))
 でも、ひさびさなせいもあったのか、車の移動はそれほどでもなかったが
 猫母さんの家に着いてから、やはり、不安そうにあちこちを嗅いで回った。
 台所で猫母さんと話していて、セリューはその辺の匂いをかいでまわっている。
 ふと、私はトイレに行きたくなった。
 「ちょっと、トイレね」
 バタン。中に入る。
 すると、セリューは扉の前に座り、普段ではおそらく聞くことのできない
 「にゃぁー」
 という声で鳴いているのだ。
 これは、私が家では(めんどうくさいこともあって(笑))トイレの扉をあけて用をたすってのも
 あるのかもしれないけれど、自分以外がいらっしゃるところで、そんな失礼はできない(笑)
 用をたしている間も、「にゃぁ、にゃぁー」
 と、いう声がかぼそく聞こえる。
 もちろん、セリューは大声をはりあげて鳴く猫ではないので
 かぼそく聞こえるのはあたりまえなんだけれども
 なんとも、不安でしょうがないような声なのだ。
 そして、トイレから出てくると私の足にひとすりして、私の見える所で匂いを嗅ぎまわる。
 …なんか、嬉しいぞ(笑) セリューには気の毒かもしれないが(笑)

 そして、その後、用事があったので、セリューをそのまま猫母さんの所へ置いて
 ちょっとの間、車でブイブイっと外出した。
 その時、セリューは少し慣れて風呂場で遊んでいた。だから、私が出ていったのを知らなかったらしい。
 あとで猫母さんに聞いた話だと、私が出ていってから、
 私を捜し、そのうちトイレの扉の前で待っていたらしい。
 …なんとすばやい学習効果だろう(笑)
 私が帰ってきた時、セリューは部屋から、ぴゅーっととんできて、足にすりすりっ。
 …なんか、かわいいぞ(笑) お出迎えかな? それとも寂しかったのかな?
 素直でないセリューの素直な一面をかいま見たような気がする(笑)




・「あの…」

 家にいる時、セリューは勝手にあちこち飛び回って遊んでいる。
 ずだだだとちりちりちりっという音が一緒にひびいている。
 最近、飛び回っていたかと思うと、私の所へ飛んできて、手や膝にすりすりする。
 おお。かわいくなってきたものだなぁなんて思っていた。

 その時、私は居間であぐらをかき、ゲームボーイアドバンスで遊んでいた(笑)
 私は、女性にあるまじきと言われるかもしれないが、あぐらをかくことが多い。
 膝に負担がかからないし、背骨も横に湾曲しづらいし、猫が入りやすいし、
 俗に言う、「トンビ座り」ができないのだ。
 体が、とてつもなく、固いのである。
 前屈なんて、今じゃマイナス30cmはいくだろう。学生時代も、最高でマイナス10cmだった。
 (前屈で足先についた状態で、0cmと考え、柔らかいとプラス何cmといった具合で、
 マイナスは、その足先には全然届いていない状態を言う。)
 体育の授業で「柔軟!」と先生に言われて皆は頭が下を向いているのに
 一人だけ前を向いていて、先生と目が合い、「何を遊んでいるんだ」と言われたくらい。
 マジでやっていたのに(笑)

 話はズレたが、その、居間であぐらをかいているとき、セリューがいつもと同じように
 私の元へ走ってきた。すりすりっとゲームボーイアドバンスと、持つ手に頭をなでつける。
 それから、またどこかへ遊びにいくんだろうな、と思ったら、その日は様子が違った。
 下から、なんとなく、おずおずと、手を、私の組んだ足の間に入れてくるのだ。
 「あの…」とでも言っているように。
 『こ、これはもしかして、あぐらをかいた中に入りたいというしぐさか?』
 私は嬉しくなって、とりあえずゲームをセーブし、アドバンスを傍らへ置いた。
 どうするのか、セリューの様子を見る。
 あぐらの中に入りたいんだけど…でも…と、素直でない心が見え隠れしている。
 「ん? どうしたいの? 膝の中にはいっても、いいのよ?」
 と、あくまで、セリューの自発的行動にまかせる、いじわるな私(笑)
 結局、セリューは、
 「あああ、やっぱり、ボクにはできないよぉ…」
 と、手先だけを私の足にかけて座りこんでしまった。
 もたげられた顔は、あきらめたような目をしている。
 『うひょー。これはちょっとかわいすぎるぞうぉぉぉ!!』
 心の中で、うきき(漢字で書くと「う喜々」(笑))となりながら、叫んでいた。
 そうなると、猫大好きおたくは弱いモノである。
 「ほら、おいで」
 と、あぐらの膝の中に、だっこして入れてあげた。
 ぐるぐるぐる。のどが鳴る。頭をかいてあげると満足げな微笑みがうかぶ。
 うへうへうへへー。し・あ・わ・せvv
 私の顔は、でろでろになる。
 でも、すぐに出ていってしまうのだけれどね(笑)




・「朝」

 朝は、セリューがとにかく忙しい時間。
 私は、朝の4時くらいまで起きてることが多いんだけれど、
 その頃のセリューは、走りまくっている。

 なんでかな、と思った。
 ふと、走り回るセリューの後をついていってみた。
 すると、セリューは、窓の向こうで鳴いている鳥を追っているのだ。
 もちろん、外にはでれない。
 だから、あっちから鳥の鳴き声がするとあっちへ走り
 こっちから鳴き声がすると…といったかんじ。
 朝は、鳥が忙しく鳴き、飛び回るから。それにあわせているみたい。

 もちろん、お外で鳥を存分に追っかけ回させてあげたいけど、それは、無理。
 昔はこれだけで結構心がちくちくしていたが、最近は、愛があればいいや。なんて思っている(笑)
 セリューの様子がおもしろそうなので、観察してみた。

 鳥が、チ・チ・チと鳴いている。
 昔、こんな時、セリューに「鳥が欲しいの?」と聞いたことがある。
 すると、ニャァと、言葉にあわせて返事をくれた。
 今回も、やるかな? と思って、話しかけようとした瞬間、
 セリューが、奇妙な声で鳴いた。
 それは、変な解釈かもしれないけれど
 「ニャ」しか出せない声帯で、鳥の声を真似ているような感じがしたのだ。
 もちろん、文字で表現なんて、できない。
 言うなれば、「ニャ」を少しでも「チ」に近づけた様な…
 でも、のどを絞っているから、ちょっと濁っている。
 「ニ”ャ」と「チャ」の中間。しかも、音の長さは、鳥の声と同じ。
 鳥が鳴く声に答えるように、あわせて鳴くのだ。

 ひょー! 猫が、鳥の真似しているぞ!
 私は、楽しくなった。あまりにも不思議な経験かもしれない。
 セリューは、鳥の鳴き真似をして、おびき寄せようというのか、
 メルヘンな考え方でいうと、鳥とお話ししているのか。

 録音したいけど、無理だろうなぁ。




・「目が!!」

 夕方、ちこっと外出して戻ってくると、なんだか。セリューがウィンクをしている。
 長毛種なので、毛が目に入ってちくちくちしているのかな、と思っていた。
 最近、抜け毛が多いし。
 そして、風呂場でくつろぐセリューをふとみると、
 目がきらーんと光っている。右目だけ。
 光の加減かな、と思っていた。

 そして夜、セリューを見てびっくり。瞬幕が半分くらい出て、
 目が、白濁しているのだ。
 うっひー!! なんだこりゃぁ?!
 一体、何が起こったんだ?
 真っ先に、部屋の中を調べた。また、およそ猫が侵入して、ケンカとかしたのかも。と
 思ったのだ。
 網戸は、きっちりと閉まっている。
 あの事件以来、居間の大きな窓も、人がそこに必ずいる状態でなければ
 絶対に、開けなくなっている。
 そして、主な窓には、開かなくする金具を取り付けた。
 換気用の窓も、ガムテープで固定している。
 では、なんだ?
 体を調べるが、ケガはない。目も、眼球が出てしまっているというわけではない。
 食欲も、ある。ぱたぱたと、いつものように、遊ぶ。
 ぷりぷりと、いつものように、元気に、出す。
 目をどこかにぶつけたのかもしれない。
 そう、自分に結論づけたが、先月の野良猫襲来がひっかかっているので
 何か、へんな病気ではないのか…?
 どきどきどき。病院は、もう、閉まっている。電話しても、誰も出ない。
 そうこうしているうちに、どんどん白濁してくるのだ。
 ああ、もう、おろおろろ。
 しかし、今、おろおろしても始まらない。
 もしかしたら、明日、よくなってるかもしれないけれど
 とにかく、朝イチで病院へ行こう。そう思った。

 夜、だっこをして頭をなでるとゴロゴロという。
 そのうち、鼻息が深くなった。ねてしまったらしい。あおむけで、べろーんとした体勢で。
 ああ、もしかしたら、何か大変な病気にかかってしまっていて…
 いまのうちに、たくさん、たくさんなでておこう…。
 心臓が、きゅーっとなった。
 でもきっと、「へっへー。たいしたこと、なかったや」なんて笑うかもしれないな。
 とも、思っていた。というより、願っていた。

 寝ている時、珍しくベッドの上に上がり、
 (朝はあがってきたりするんだけど、夜はめずらしい)
 私の足の横に手をかけ、一緒に寝ている。
 ああ、もしかして、セリュー自身になにかものすごいことがおこっていて…
 それで、心細くて一緒に寝ているのか…?
 それからは、寝れたもんじゃない。
 足元のセリューをけとばさないかと気にしながら、じっと朝になるのを待った。

 朝。セリューの目は、瞬膜は収まってきているものの、白濁はそのままだ。
 起きたのは、6:30。病院は、9時から。なんだか、何も手につかない。
 とりあえず、昨日買っていたメロンパンと牛乳を朝食にして、
 TVの上に映しだされる時間表示を、じりじりとながめていた。

 時間が来た。キャリーを出して、今日は残暑が厳しい。中に保冷剤を入れた。
 セリューは、キャリーに入ることに抵抗がないので、助かる。
 取っ手をがっと掴んで、車をとばした。

 病院は、他には誰もいなく、「どうされましたー?」
 簡易的に説明をする。
 「セリューさぁん」
 診察室に入り、今までのことを説明した。他の病気の現れかもと心配していることも。
 体重を量る。4.1kg。うわお。抑えている助手さんが
 「しっかりした体つきしていますねぇー」
 心配しているのに、心がうわっついてしまっているので言葉に流される。えへへ。と笑ってしまった。
 目を診察する。
 「ああ、白濁していますね。昨日の前とかは、全然大丈夫だったんですか?」
 「ええ…昨日、夕方帰ってきたら、そうなっていたんです。その前は、全然」
 ふーむ、と反対の目も診て、先生が角膜に傷が付いていないか、診てみましょう、と。
 目薬をさし、丁寧に光を当てながら、よーく診る。
 「角膜には傷はありませんねぇ…これは、珍しいかも…」
 不思議そうな顔をして、先生は院長先生を呼んだ。
 そして、院長先生も、丁寧に角膜、目を調べる。
 「これは、平たい所にぶつかったのかもしれないですね」
 …考えてみると、セリューはよく、突っ走る。そして、「ゴン!」と音をたててたり、する。
 たいていは、おでこをぶつけたりしているけど、目があたったのかもしれない。
 でも、野良とおぼしき猫に噛まれた心配も、院長先生に話す。
 「この猫は、外出させているんですか?」
 「いいえ。完全室内です。前に飼っていたタマを外出で病気をうつされ、亡くしているので…」
 「ああ…。 で、野良猫は、どうして…?」
 「(野良猫が)網戸をあけて、入ってきたんですー(泣)」
 「そりゃ、おどろいたでしょうに!」
 院長先生は、まだ若そうだったけれど、よく、話を聞いてくれる。
 「この辺の猫は、ほとんど外自由なんですよ。それで、ケンカはもちろん、
 交通事故が多いですね。この間も、あごが砕けた猫が運ばれてきましたよー」
 「あごが!? ひえー。かわいそうー(泣)」
 「いえ。でも、見つかっただけでも、よかったんです。
 下手をすると、ひかれて、そのまま、道路の端に寄せられて…」
 ああ、そうだよなぁ。私も、ひかれた猫をみたこと、あるもんな…。

 よっぽどの、田舎という訳でなければ、外には出さない方が、私も、いいと思いますよ。
 全国の猫飼いの皆様。
 
 野良とおぼしき猫に噛まれて病気を心配している話を聞いて、
 「血液検査、しますか?」
 と、先生の方から言ってくださった。
 もちろん! と私の鼓動が先に返事をする。でも、ちょっと待ってと財布が言う。
 しかし、ここで検査をしてもらった方が、目への心配も軽くなるかもしれない。
 「ああ、して頂こうと思っていたんです。お願いしますー」
 いろんな検査をお願いした。
 この検査は、いくらかかりますけど、どうしますか?と
 それぞれの検査の値段を、する前に教えてくれた。
 もちろん、財布は「ちょっとまてよぉー」とは言っているのだが
 いっぺんにしちゃった方が、セリューの負担にもならないだろうし。
 「15分くらい、お時間がかかりますけど、よろしいでしょうか?」
 それに関しては、もちろんオッケーだ。オッケーにさせますとも。(笑)

 血を採り、セリューをキャリーに戻して、待合室で、待った。
 後で先生が仰っていたが
 「この猫は、不思議な猫ですねぇ」
 「?」
 「採血の時、大抵の猫はいやがって、爪を出すんですよ。
 それが、ぽふっと手を出したまま、爪は出さずに…。性格が、穏やかなのでしょうかねぇ。
 家で怒ったりとか、しますか?」
 「い、いいえ…」
 そういえば、セリューが本気で怒った所って、見たことないかもしれない。
 イヤンと逃げたりはするけど、あまり鳴かないし…。
 「すごく立派なしっぽですしねぇ。」
 なんだか、先生はセリューのことがかわいくなってしまったのだろうか(笑)

 「セリューさぁん」
 呼ばれて、入る。
 血液検査の表を出してくれた。ひとつひとつの項目、すべて説明してくれる。
 表のグラフでは、すべてノーマルの中にチェックが打たれていた。
 そして、ウィルスなどを検査する他の器具を見せてくださり
 その説明も、聞いた。表示はない。すべて陰性だ。
 「はぁぁー」
 肩の重荷がガラガラと落ちる気がした。
 心に残るトゲが、しゅわっと溶ける感じがした。
 先天性の疾患も、ないようだ。後ひとつの検査は、センターでないとできないらしく
 その結果は、2.3日かかると言う。
 でも、この様子なら、たぶん大丈夫でしょうと仰ってくださった。
 そして、目薬の説明。
 液体だと、日に何度もしなくてはいけない、と。
 軟膏だと一日3回ですむ、と。
 軟膏? どうやって塗るのか、教えてもらった。
 眼球の上にちゅっとしぼるのだ。
 中には、目に軟膏?!と嫌がる人もいるらしい。
 でも、保ちがいい、と聞いたのでそっちにした。
 抗生物質などの粉薬ももらった。

 そして、精算…21000円。ひょうえー。財布の中には16000円。
 足りない分は、来週持ってきますー。と言って、病院を後にした。
 全額、来週でも、いいですよ、と仰ってくださったが、
 なんか、申し訳なくって(笑)

 猫って、動物って、何をしたのか、言葉で言ってくれないから
 ほんとうに、やきもきする。
 でも、先月からの野良猫事件が、これでやっと終息した気がする。
 庭や近所で他の外猫を見かけるので
 (庭に、糞尿されました。こんどみかけたら、捕獲して
 近所に問い回るつもり。だって、避妊もしていないんだもの。)
 もしかしたら、今後もそんなやきもきや、戦いは続くのかもしれない。
 えーい。強くなってやるぞ。




・「ぷるるっと電話」


 検査結果の電話が、かかってきた。
 「結果は、マイナスです。大丈夫です」
 とのこと。
 ほぉぉー。じゃ、とりあえずは、健康そのものなのね。
 今日は食べる量が多いから、今日は少ないから、なんてほんの少しの事なのに
 一喜一憂しなくてすむのね。はふう。余裕が出てきたぞ(笑)
 あれから、毎日、薬の投与を続けた。
 4.5日して、なんとなく、白濁が薄くなってきたように見える。
 暗い所での眼の光りも、左右同じだ。
 「あああああ、治ってきてるー(泣)」
 本当に、このまま、治らなかったらどうしようかと思っていた。
 どちらにせよ、今まで通りにかわいがるのは一緒なんだけれど
 検査では何も出ていなかったけれど、もしかしたら…なんて
 思っちゃうのが、人間の常だもの。
 特に、モノを言わない動物に対しては。
 電話で、助手さんが「来週くる時に、結果の証明書をお渡ししますね」と言ってくれた。
 健康の、しるし。大事にとっておこう。




・「も一回病院」

 先週から1週間。再び、セリューをキャリーに詰めて、病院へ向かう。
 今日のセリューは、先週の今週だからか、なんとなく、キャリーに入りたがらない。
 仕方がないので、キビナゴでつって、中に入れた(笑)

 病院では、患畜はいなかったけれど、猫好きのおばさんがふたり、来ていた。
 そのおばさんは、野良猫を家に招き入れ、飼っているという。
 でも、サッシを開けて、出ていっちゃうのよねー。と苦笑しながら言っていた。
 …やはり、野良猫はサッシを開けれるのだ。くうう。今までよりも強固に網戸を固めなければ。

 で、おばさんは、それ以外の野良猫にも、世話をしているらしい。
 その野良が、ほっぺたをはらし、動くと膿がダラダラと出る状態だったので、相談に来てたらしいのだ。
 捕まえようと思っても、その猫は捕まらないらしい。
 うわぁ。と、眉をひそめた。でも、そんな猫も治療してあげたいと思うおばさんに拍手。
 でも、去勢とか、ワクチンとか、そういう所までは、聞けなかった。
 (何しろ、ちょっとの時間だったし、おばさんふたりのおしゃべり攻撃に、
 私が口を挟むってのは、難しいってなモンだ(笑))
 その動物病院の近くで、野良猫がごんごん増えているというウワサも、聞く。
 もちろん、野良猫の世話をしている所に遠くから捨てにくるという話もあるので
 一概には言えないが、去勢避妊していれば、少しは不幸な猫も、へるはず。

 猫おばさんとの歓談中、セリューの名が呼ばれた。
 おばさん達に一礼して、診察室に入る。
 「どうなりましたー」
 「だいぶ、キレイになりましたーv」
 セリューをキャリーから出して、体重。同じ4.1kg。
 ちょっとばかり、増えてたらどうしようかなぁ、と思っていた。
 だって、薬をバターに混ぜてあげていたから(笑) ちょびっとだけれどね(笑)
 そして、目を見る。
 「おお、キレイになっていますねぇ! 早いなぁ。ってことは、本当に眼ぼう水だけだったんだなぁ。
 水晶も角膜もキレイだし、大丈夫!」
 (眼ぼう水とは、角膜と、水晶の間にたまる水のことだと、教えて頂いた)
 「うわーいvv」
 思わず、くるくる踊る。笑う先生。
 「でも、一応、念のために、後少し、薬を出しますから、それを飲ませてしまったら、終わり、と、いうことで」
 「はーい」
 おほほほーな気分が、私のまわりに花を咲かせる。
 あまりに嬉しくて、去勢の事についてちょっと話を聞きたいと思っていたのに、忘れてしまった。
 まあ、いいや。後で電話しよう。

 終わって、薬を待つ間も、余裕が出てくる。
 キャリーからは出さないが、ふんふんと鼻歌などを口ずさみながら、セリューと話したり、する。

 薬が出てきた。そして、前回の治療費の残りと、今回の治療費を、払う。
 ひゅるるー。懐にからっかぜがふく。

 この間待っている時に、動物の健康保険のパンフレットも、見ていた。
 0才で、ひとつき1500円ちょっと。
 私より、高いぞ。まあ、民間企業(たぶん)がやっているから、しかたないのかな。
 こんなの、入っている人がいるのかなと思っていたら
 待っている時に入ってきた、キャリーを抱えた女性。
 (セリューとつらつきあわせたくなかったのか、すごい隅にキャリーを置かれ、
 猫だか犬だか、わからなかった。まあ、病気かもしれないって犬猫の近くには
 いかせたくないって気持ちは、わかるのだけれどね。
 フィラリアの薬を、といってたので、たぶん、犬だとは思うけど)
 その女性の手には、「こんなふうな健康保険です」と、見本で置かれているものと
 同じモノが見えた。その間から、診察券を取り出している。
 この人は、この健康保険に入ってるんだ。ふーん。
 私は、入るかどうかは、わからない。だって、セリューの元気さを考えると
 治療費を払った方が安上がりな気がするんだもの(笑)
 決して、病院に行く値段がどーのというわけじゃないけど
 信用関係が、わからないし。
 やっぱり、どっちにしろ、懐も、心も、いたいもんね(笑)

 支払いも終えて、病院を出る。
 となりの座席にキャリーを置いて、帰る。
 相変わらず、車に乗ると、鳴き出すなぁ(笑)
 でも、慣れてきたのか、最近は、少しだけになったけど(笑)

 さて、これで、本日もらった薬をあげれば、とりあえずは完了だ。
 ああ、本当に、皆様にもご心配をおかけしましたー。
 励ましのお心遣い、本当に嬉しかったですvv




・「カリカリ」

 前回動物病院に行った時、ちょうど試供品の搬入が、されていた。
 そして、助手さんが、「よろしかったら、どうぞv」と、箱を目の前に出す。
 こうなると、サイエンスダイエットでも、もらわない訳には、いかない(笑)
 おこちゃま用と、メンテナンスをもらってみた。

 家に帰ってから、どんなもんかなぁーと、おこちゃま用を開けてみる。
 なんか、匂いが臭いな。
 セリューは、食べるかな、と思って、少しだけ、あげてみた。
 カリカリの試供品なら、なんでも食べるぞ、と、いうセリューが、食べない。
 開けたては香りもいいので、普段ならばりばり食べるのに。
 試しに、私も食べてみた。
 …おいしくない。
 猫のカリカリに、人間の「おいしさ」は、求めないが
 なんか、嫌な匂いと味なのだ。心のどこかで何かが嫌がってる。
 セリューが食べないのも、わかる気がした。
 これなら、日本製品の、この間購入したモノの方が、断然おいしい。
 なので、これは申し訳ないけどゴミ箱へ。
 サイエンスダイエットの毛玉用は、セリューは好んで、食べる。
 私も、それは、食べた時嫌な感じはしなかったから。
 サイエンスダイエットが悪いというわけではないけれど
 いろんなウワサも、聞くし。
 まあ、いろんなのと混ざってるから、もし、やばげな成分が入っていても、
 食べる量としては少ないから、大丈夫でしょう(笑)

 それにしても、カリカリでセリューが食べなかったのは初めてだから
 ちょっと驚いてしまった。




・「ぷるるっと電話パート2」

 また、電話が鳴った。
 私は、電話はいつも留守電にしている。
 いるときは、コール中に出ればいいし、よしんば出る事が不可能な状態の場所にいても
 (トイレとか、風呂とか(笑))
 伝言を残して貰えるからだ。

 その時は、ちょうど、出ることが不可能な場所で、それでも、急いで、電話に出ようとしたが
 留守録モードに入ってしまった。

 みなさん、留守録モードの応対声が出ている時(ピーとなる前)、
 自分の台詞に気をつけた方がいいですよ(笑)
 録音されていないと思っていても、実は、そこからされている時が、ありますから(笑)
 だって、その電話は、私は一瞬、出るのをためらわれましたもの。

 ざーざーというノイズの後に、でかい声で
 「ああ、もう、俺、疲れてるんだよ」
 と、投げやりな感じ。
 なんだ、こいつは、と思った時に、ピー。
 「あ、あのう、○○ですが、血統書の件について…」
 ああ、セリューを購入した、ペットショップだ。
 わはは。と笑いそうになったけれど、ガマンして、急いで受話器をとった。
 相手の人は少しあわてたのか、言い訳もたくさんでセリューの血統書について、話してくれた。
 元のキャッテリー(?)の所に、あるらしい。
 来週、そちら(キャッテリーの場所)の近くに用事があって、それで一緒に取りに行く、ので、
 来週の木曜日には、あるから取りに来てください、とのこと。

 おいおい、どこのキャッテリーだよ。ちょっと、無責任だな。と思った。
 セリューは、もう、そのキャッテリーでは、言葉は悪いが、売っぱらったんでしょ?
 その、売っぱらった子猫の血統書を大事に持ち続けて、どーすんのよ。
 処置に困っていたとしても、時間が経ちすぎているわよ。
 買っていった飼い主が、気にしていると思わないのかしら。
 (血統が気になるとかいうよりも、純血種にありがちな病気とかが気になるのだ)
 まあ、その辺は、来週血統書がくれば、わかるでしょう。
 わくわく。楽しみだな。セリューの元の名前は、何だったんだろうな。
 ノル左右衛門太郎ノ助とかだったら、笑っちゃうだろうな(笑)




・「お手」

 私は、猫より、犬飼の経験が、長い。
 もちろん、猫は芸をしない動物だって事も、知っている。
 でも、ときたま、TVで猫に「お手」をさせている風景を見ると、
 セリューにも、やらせてみたいと思ってしまう。親バカだぁ(爆)

 最初は、TVで紹介していたやり方をしてみた。
 「お手」といいながら手を持って、その後に、ちょびっとおやつをあげるのだ。
 それを繰り返すと、できるようになるらしい。
 でも、猫はあきっぽいし食べ物に執着しないから、地道に、気長に…という方法。

 セリューは、座って手を持たれるのを許す時と許さない時がある。
 その時は、失敗した。手を持った時点で、イヤンと後ずさりしてしまったのだ。
 まあ、もともと、猫に芸は難しいんだから、しょうがないよな。と諦めた。

 別の時、私はあぐらをかいた膝の上に、セリューのおやつを乗せて、口の感触を楽しんでいた。
 膝の上のおやつがなくなり、次のおやつを出そうと手を動かした時に、
 セリューが、ぽふっと、膝の上に手を置いた。
 もちろん、少しでも早く、おやつの所へ口を持っていきたいからだ。
 お? と私はひらめいた。
 完全なるお手はできないけれど、これを「お手もどき=ちょーだい」として教えられないだろうか。
 「欲しいの? ちょーだいは?」
 セリューが、膝に手をかけてから、おやつをあげる。
 何度も、繰り返した。

 すると、最近は、おやつをあげて、おかわりが欲しい時、
 ぽふっと私の膝の上に手を乗せるようになったのだ。
 もちろん、体重をかけて登り、むりくりおやつを取りに来るといった感じではなく
 本当に「ぽふ」と乗せた感じ。
 これで、おやつがもらえることを理解したようだ。
 いやっほー。なんか、嬉しいぞ。
 しかも、その、手の乗せかたがかわいいのだー(親バカ(笑))
 ちょっとおずっとした感じで、蝶の羽根がふれるように、軽くの「ぽふ」なのだ。
 んもう、かわいいったらかわいいーーっvvvv
 あんまりかわいいので、おやつを全開であげてしまいそうになるが
 そこは、やはり私が自制しなければいけない。
 私のような脂肪をため込むことになってしまうぞ。
 「もう、おしまいね」
 と、両手をひらひらさせて、セリューに諦めてもらう。
 「もう、ないの?」
 という顔をするセリューだが、私も辛いのよ。わかってちょー。
 でも、さらに楽しくなったぞ。おやつの時間vv




・「ホイホイ」

 最近、セリューホイホイを作って、遊ぶ。
 ホイホイとは、もちろん、某メーカーのゴキブリをとるもの。
 ホイホイとは言っても、たいしたものじゃない。
 座椅子をひっくり返して三角ハウスにしてみたり
 布団をうまく丸めて、ちょっとしたスペースを作っておくようなもの。

 ずだだだだ!! と走り疲れた後
 (最近、一段と激しい。涼しくなってきたからなぁ)
 ホイホイを作っておくと、おもしろいように、そこで寝ている。
 廊下で寝そべっている時でも、ホイホイを作って、呼ぶと
 (私が呼ぶと、走ってくるのよーんvv 愛だわvv)
 「お? これは? なんと気持ちよさそうな場所だにゃぁー」
 ってかんじで、するすると入っていく。
 うははは。楽しい。

 でも、布団でホイホイを作って遊んでいたせいか、
 私が寝ている時でも、そのようなスペースができると、入ってしまうのだ。

 その日は、朝5時に寝て、7時に起きたのが連ちゃんだったから
 さすがに眠くてお昼寝をした。(いや、しょっちゅう、眠いんだけれどね(笑))
 ベッドでくかーっと寝た。
 人間は、健康な人であれば、無意識の状態で、何度か寝返りをうちます。
 私も、寝返りをうったらしい。
 そして、昼間は暑いので、足元に掛け布団をごしゃっと蹴飛ばしていた。
 その布団の上に、どかっと足をのせたらしい。この重量感たっぷりな足を(笑)
 ぐい。と、足が持ち上げられるような感覚がして、50%覚醒した。
 なんだぁ、おされたぞうー。
 その一瞬後、ぐるっと頭がまわって、100%覚醒した。
 布団の下に、セリューが入っていたのだ。
 気持ちよく自分が寝ていた時に、どかっと上から重たい物がきたので、押し上げたのだ。
 「きゃー!!」
 あわてて起きて、セリューを確認する。
 なんたって、私の足は太い。重い。力も強い。
 「大丈夫?! セリュー!!」
 私のあわて声に、セリューは迷惑そうな顔をして、布団から出ていってしまった。
 体の方は全然大丈夫な様子である。
 ああ、セリューが月齢のわりに4.1kgの巨体で、筋肉質で、本当に、よかった。
 もし、ほんの子猫の小さい状態だったら、それこそ、また病院直行だろう。
 え? ダイエットしろ? そりゃ、ごもっともー(爆)


セリューマークでもどるよーんセリュートップへ戻る